太鼓館 西園寺穂純
プライベートルーム

西園寺穂純の新居浜太鼓祭り回想録(42)

 

 

◆東〜西西 () 、番数を巻き進みましたるところ、この一巻(42)にて回想録の (拍子木チョン) 打ち止めにござりまする〜

◆来年はありません、今年限り。

 

 

令和5年 16()17()18() 松山B6

 

 

●今年は行動制限なしの通常開催、盆過ぎに私が常用する宿泊予約サイトを覗くと既に1016()17()2連泊予約は×表示になっています。今年は厳しいぞと思いつつも頻繁にサイト確認を継続していると9月中旬に他社サイトで〇印、ここで予約を済ませました。今年は是非とも山根グランドに行き中筋を見てみたい。新調の庄内は最終日午前中に見よう等など夢は膨らみます。

 

 

●されど、14日の土居町秋祭りの海通橋(現在は「ふるさと広場」と称するらしい)統一行動も太鼓が俺を呼んでいる。呼ばれりゃあ仕方が無いので、いそいそ出かけて行きました。私は平成元年に初めてこの地に立ちました。あれから三十余年、飾り幕も舁く技術も格段に向上し、今や新居浜を超えている感さえあります。特に舁き競べ前の意思統一パフォーマンスや独特の掛け声を掛けながらの運行所作は印象的でした。飾り手法も良く研究されていて、正面名札を重や重受けに直接貼るのではなく前方への突き出し金具を使って表示しているなど初見でした。太鼓祭り旅をしないとこんな発見は出来ないのです。

 

 

16日の八旛神社氏参りは早い組が午前8時30分とのこと。そのため今年も4時起きの5時出発となりました。7時20分ごろ下原バス停付近に近づきました。下原丁字路から宇高路に高津の太鼓が並んでいます。何だ?この人の多さは?月曜の初日氏参り前など舁き夫ら太鼓台関係者を除いてマニアみたいな参観者が100人も居れば多い方だが、今ここには3,000人は居るぞ。まさかのアレか?アレといっても阪神優勝ではない。新居浜太鼓祭りでアレといえば喧嘩のこと。八旛裏で車を捨ててエビス方面を目指すと、セイムズ付近で本郷が据えている。ネット噂は本当だったが、まさかの氏参り前の行為だ。氏参りはどうするのだ?小学校のお祭り集会で子供達が楽しみにしているぞ!自治会員にボロクソ言われるぞ、エ〜どうなっているんだ。「馬っ鹿じゃなかろかルンバ」が頭を駆け巡る。やめときゃ良いのにと思いながらも我が意に反して、本郷宇高が始まってしまった。

 

 

●7年前が頭を過るが、絵は少しも違わない。開戦場所が浮島小学校前だった。この場所は本郷太鼓台域でも宇高太鼓台域でもないのでニュートラルコーナーかも知れないが小学校正門前というのが何とも皮肉だ。対戦は初衝突から本郷掛かり気味だったが何とか落ち着き、何回か離れて突き合った後クリンチ状態となった。何と宇高は鎧なしでの対戦らしい。しかし、7年前に比べ両者とも動きが今一つハッキリしない。時間が早いのでまだ目が覚めていないのか?喧嘩所作に必死さが見て取れず、いとも簡単に宇高の太鼓が割れるし、ロープで舁き棒を捉えていても直ぐにリリースするなど予定調和の相対(あいたい)喧嘩っぽい気もしてきた。喧嘩の後、双方とも満足気な様子で引き揚げた。

 

 

●真偽の程は不明だが、運営委は両太鼓台に衝突前に解体命令を出していたとのことである。運営委の命令を遵守しないのならば除名が筋だが、その声は聞かない。そもそも解体命令を出していた太鼓台に白昼堂々公道で喧嘩をされてしまうとは運営委一世一代の恥辱でありましょう、心中察して余りあります。

 

 

●近年、西部委では事故・喧嘩など有事の際に「緊急」の桃太郎旗が現場に立てられ注意を喚起している。良い手法だと感心している。ここで提案だが、もう一種「解体命令」の旗を2枚作って喧嘩の際に掲示し、観客に解体命令済である旨の周知徹底と注意喚起、そして運営委員会としての「やってます感」をアピールすると宜しいでしょう。

 

 

●八旛神社統一氏参りは期せずして6台一挙入りの文字通りの「統一氏参り」が実現した。これは嬉しいハプニングだが、本来こうあるべきものだ。東から4台、西から4台やってきて、適当にほたえた後、町と澤津の棒合わせで川東西部の祭りが始まるのです。来年も6台で、再来年は8台で真の統一氏参りを持続して欲しいものであります。

 

●さて、宇高はそのまま帰ったが、運行開始から僅か2時間足らずでしょう。可哀そうだけれど喧嘩をしたのだから、解体命令が出たのだから仕方ない。しかしです、何と本郷は境内に入っていた事実が判明した。これはいけません。喧嘩をすれば刑事事件として捜査されるのは必定のこと。警察からの実況見分(場合によっては現場検証)に備え、異常な棒組や規定外の防御設備の有無など喧嘩の痕跡に関する証拠類の保全措置を行う義務が生じます。要らぬことして要らぬ疑いをかけられぬような覚悟が必要です。垣生小学校のお祭り集会にも顔を出したとの噂もあります。ダメです 。

 

 

●気を取り直して、浮島小学校・垣生小学校・高津小学校のお祭り集会を覗く。川西で新居浜小学校・金子小学校・金栄小学校・宮西小学校・惣開小学校を次々訪れ、各太鼓台をチラ見して午前中の行動を終了した。朝一番から濃い〜見分だった。口屋が括りの巻き布を白色に戻していた。庄内の括りの巻き布の黄色が濃くなっているような気がした。

 

 

●昼下がりはこれといったイベントが無いので東雲近くのファミマ駐車場で三々五々やってくる太鼓台を見学する。3時に宿に着き夕刻に備える。夕刻昨年同様JRで中萩駅へ行き、フレッシュバリュー大生院店の統一行動を見た。今年は会場入口の坂上で入場直前の気合の入った太鼓台を至近距離で見学出来て満足です。

 

 

●中日午前中の河川敷公園統一行動は欠かせません。宿を早く出たつもりだったが今年も太鼓台群れを見つけたのは東高付近だった。時刻も早いし太鼓台の動きも速い。松の木入りや澤津自治会館前も見たいが、車を河川敷左岸新須賀側の特設駐車場に置かなければならない。新高橋を戻り渡って川東側に至ると、西部の太鼓台群は西沢津バス停三角道、川東の太鼓群はバス通りを同所に向け進行中でした。ここから労災前までパレード行進の後、川東は土手道を会場へ、西部は新高橋で待機であります。川東進行後西部も会場入りし、2組に分けた舁き競べが行われたが、苦戦の太鼓台が多く、真面に舁けたのは澤津くらいのもんだった。今年の川東・川東西部には新調太鼓台は無く、幕変化の楽しみは無いものと思っていたら、東浜の高欄幕のうち有名なカンケツ童子の幕の童子が頬かむりをしていた。白地にエンドが黄色い手ぬぐいのようなものだったので田の上のそれかとも思ったが判然としなかった。来年も継続可能ならばお願いしたい。

 

 

●午後1時前に新居浜駅南口からシャトルバスで山根グランドに行こうと思ったら、乗り場は長蛇の列で階段を経て連絡通路にまで溢れている。係員に聞くと「乗れるまで1時間位かかるかもしれない」とのことだったので乗車を断念し、歩いて行くことにした。最初の5分で後悔した。今日は暑過ぎる。バイパス交差点、11号線長田交差点、旧道交差点を経て半ばやけくそ気味に歩き続けると、山の緑がくっきりと見えだした頃、微かに太鼓の音が聞こえる。やれやれやっと着いた。

 

 

●山根グランドは実に久しぶりだ。前回訪問は平成23年だったから12年振りの勘定になる。会場は超満かと思ったらそれ程でもなく会場に容易に入ることが出来た。テレビ局の取材も何組か遭遇した。夕刻のニュースで放映されるのだろう。20台勢揃いした太鼓台列はやはり壮観であり、最初の全台一斉差し上げは見事でありました。さて、お目当ての今代中筋太鼓台には初対面です。噂に聞く細かい縫い、洗練された意匠、これは良い物を見せていただいた。北内太鼓台は貫きの色模様が変更されていた。紫の色使いが好きだったのだが勿体ない気がする。紫色が醸し出す高貴さが失われた感じだ。喜光地太鼓台の高欄幕や上水引の上縁と乳の部分が赤雰囲気になっていて独特感があった。

 

 

●ずっと見ていたいが、演技と次の演技までのインターバルが長そうな感じがしたのでそそくさと退散を決め込む。歩いて帰るのは勘弁のためシャトルバス乗り場を探したが判然とせず、せとうちバスが居たのでこれに乗る。有料だが歩くと思えば安いものだ。

 

 

●新居浜駅まで戻って、車で多喜浜方面に向かう。今なら山端広場に間に合いそうだ。長岩橋から西部地区の統一行動を見る。委員会の広報車も「山端広場」と言っている。山端広場の名称も祭り市民権を得てきた。嬉しい限りであります。統一行動は実にホンワカムードで、平和な祭りここにありであります。

 

 

●山端広場ならば車で行っても何とかなったが、多喜浜駅前となるとそうはいかない。一旦宿に帰り汽車で多喜浜駅まで行こうと思う。6時前の汽車に乗れば良いかなと思っていたが、部屋に帰ると、もう足が動かない。山根グランドまでの歩きが堪えたようだ。行く気はあるけど体が付いてこん。スーパーで缶ビールとえび天も買ったし、本日はこれまで。多喜浜駅前舁き競べはインターネットで見ることにした。

 

 

●インターネット観戦限りでありますが、多喜浜駅前舁き競べは、白浜が断然上手く、続いて新田、その次に松神子と又野が同点くらい、澤津は及ばずと西園寺穂純は判定したが、委員会発表は少し違っていた。西園寺穂純の鑑識眼も狂ってきたのか、齢を取ってしまったのだから仕方が無いか。イベント案内にあった「多喜浜駅前二地区合同行事」という表現は何をするのかイメージが湧きにくい。行列?パレード?沸かし合い?なのか。来年以降も継続実施ならば名称御検討願いたい。しかし、喧嘩や事故の話は聞かない。他地区も平穏なのだろう。

 

 

●楽日の午前は川西、大江浜午前8時30分からなので、間の合うように午前8時ごろ東町マルニふとん店前交差点に出向く。ここには東町しか居ない。暫くすると陸御幸宮神輿一行が浜へ向かうので追従する。大江公園内で神楽奉納など一連の神事を見る。一宮神社の神楽を最初から最後まで見るのは生れて初めてである。実に恭しく神々しかった、ありがたや有難や。太鼓台は大江浜へは2班編成での入場のようだ。

 

 

●浜入場を待つ新調庄内太鼓台を見分した。なかなか良いんじゃないでしょうか。どこが良いと言ったって一目見たその時から気に入ってしまったんだから仕方ない。先代庄内のイメージも残るし、布団締め遠景は先代大江を彷彿させる。高欄正面の人物ものは色糸が勝ち過ぎているか。新田太鼓台の指揮者が伝説の茶色法被で登場した。これは美しい、何で常用しないのでしょうか。来る新調の際には、法被・鉢巻・指揮旗・貫き・括りの巻き布等オール茶色で仕立てて欲しいものであります。落ち着きと上品さ、高貴さが似合う大人の色、ブラウンこそ新田に似合うと思う。太鼓台群は海岸通りから昭和通りのマルナカ交差点に下がり、西行きして花園から再び海岸通りへ。複数の町内で花束贈呈があり午前中は平和裏に終了した。

 

 

●新須賀町のスーパーまで戻り弁当を購入して食す。ビールを飲みたいが酒気帯び運転になるので我慢する。車を国領川河川敷左岸新須賀側の特設駐車場に移動させ、ここから午後の会場、八旛さんまで歩いて行く。結構な距離だが他に方法が無く、皆歩いているので我慢も出来る。今年は川東の太鼓台の垣生入りが計画されている。平成3年の分裂前年までは入ってきていたので実に30数年振りだ。狭い山端路や町路、それに浮島路など通れるのか疑問も残っていたが、長岩橋から山端広場を経て川沿いの道を本郷へ、バス通りを通って八旛前、浮島路は通らずに玉垣沿いに北行し町入りした模様です。

 

 

●町自治会館から町路を法泉寺で右折しえびすセンター前へ出る時が最も気合が入る。左折して本郷の花束贈呈の時に何かが起こる可能性が高いからだ。が、今年は様子が違う。紅白幕の足場櫓の上で本郷の重旗が乱舞されている。本郷自治会館前では棒はついていないが鳴り物太鼓を台場に据えたまま太鼓を叩いている。解体命令が出ていたのではないのか、これは許されるのか。運営委が注意している様子もないので許されたのであろう。

 

●午後2時30分が八旛神社統一行動の開始時刻であるが、かなり進行が遅れている。西園寺穂純が八旛さんに戻った時は、東浜が本殿周りを終えたものの苦労していた。白浜はまあまあ上手かったが、新田は苦戦だった。多喜浜最後の阿島は気合が入っていて上手く上位入賞が期待出来る。続いて神郷群、注目の松神子も卒のない演技だった。西部での注目は澤津と山端だが、「澤津上手い、ワクワクする、上手過ぎる、凄い。どうした山端」でした。流石に最後まで見られず本年はここまで、河川敷までの道が遠い。

 

●帰松後ネットに上がっていた画像類を確認する。15日に本郷がタイヤ新調の試運転と称して宮入りと地区内運行を行っている。指揮者の緑ジャージが懐かしいが、後は言えない二人は若い。川西工場前は西原側から入っている。こちらも懐かしい。

 

 

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(拍子木チョン) (拍子木チョン) 東西〜西〜、これにて千穐楽にござりまする〜

 

 

 

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